About Us

私たちは今、グローバル化と情報技術の時代に⽣き、それらに直接的あるいは間接的に関わる多くの課題に直⾯しています。これまでに、途上国の中には著しい経済成長をみせた国もありました。ソビエト連邦と東部ヨーロッパ諸国における社会主義体制の崩壊と上記の成⻑経験の観察にもとづき、多くの経済学者が財産権の尊重と政情安定が市場経済の「成功」の基盤であると結論づけました。

その後、⾦融危機が起こりました。この出来事により、あらゆる政策⽴案者は経済活動(特に⾦融部門の活動)に関する規制緩和の役割を再評価することを余儀なくされました。他方、関係者による努⼒にもかかわらず、地球温暖化の問題はますます深刻化しています。富裕国では、⾼齢化と格差の拡大が主要な懸案事項となっています。⾼齢化社会は財政⾚字を悪化させ、政府の経済運営をより難しくします。草の根運動「ウォール街を占拠せよ」は、まだ記憶に新しい出来事でした。この草の根運動は、市場志向の経済政策に伴う不平等の拡⼤と⼤多数によって要求される平等との間のジレンマを表しています。

そして、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大です。突如として現れたこの人類共通の課題は、瞬く間にあらゆる社会を飲み込み、それまで当たり前にあった人々の暮らしを一変させました。それに伴い働き方や学び方、あるいは基盤的な価値観や基本的なライフスタイルまでも再考することを余儀なくされました。

これらの課題の克服は、持続可能社会の実現へ向けたチャレンジと言い換えることもできるでしょう。上記を含む現代社会が抱える様々な課題において、すべての国家・社会・個人に通底する普遍的な「正しい答え」というものは存在しません。それゆえに、課題の克服・解決とは、対立する主体どうしの「折り合いを付ける」試みであるともいえます。

社会・国際学群は、主にディシプリン型の科目を提供する社会学類と問題解決型の科目を主とする国際総合学類で構成され、これらにおける高い専門教育を通じて、現代社会の複雑な様相を読み解き、あるべき方向性を想像し、課題解決に挑み続ける創造的な人材を育成するための教育を提供します。